【2026年11月】電気代はいくら上がる?電力会社別の値上げ額と今できる対策
2026年11月から大手電力の規制料金が改定され、電気代が上がります。託送料金改定による値上げ額を電力会社別に一覧で整理し、同時に効いている国の支援終了との違い、わが家の増加額の試算方法、今すぐできる対策までまとめました。
2026年11月、電気代がまた上がります。しかも今回は、2つの値上げが同時に効いているのが特徴です。
結論から言うと、2026年11月1日から大手電力の規制料金(従量電灯など)が託送料金の改定にあわせて値上げされ、モデル家庭で月254〜590円の負担増になります。さらにこれとは別に、国の電気代支援が2026年9月使用分で終了しており、10月使用分から値引きがなくなっています。
つまり、11月の請求書で感じる「上がった額」は、託送料金の改定分だけではないということです。この記事では、両者を分けて整理し、わが家でいくら増えるのかを自分で試算できるようにします。
- 2026年11月1日から託送料金の改定で規制料金が値上げ。モデル家庭で月254〜590円
- これとは別に、国の支援が2026年9月使用分で終了(10月使用分から値引きなし)
- 関西電力の例では、10月分6,933円 → 11月分8,251円(+1,318円)。うち910円が支援終了、408円が託送改定
- 値上げ要因は賦課金・燃料費・託送料金と構造的。節電だけでは追いつきにくい
2026年11月の値上げは「2つ」ある
まず、ここを分けて理解するのが重要です。多くの人が混同していますが、性質がまったく違います。
| ① 国の支援終了 | ② 託送料金の改定 | |
|---|---|---|
| 内容 | 電気代の負担軽減策(値引き)が終了 | 送配電網の利用料が改定され、料金に反映 |
| タイミング | 2026年9月使用分で終了(10月使用分から値引きなし) | 2026年11月1日から |
| 性質 | 一時的な支援がなくなった | 恒久的な原価の上昇 |
| 影響額の例(関西電力・260kWh) | 約910円 | 約408円 |
①は「これまで国が払ってくれていた分が、自己負担に戻った」だけです。②は「電気を届けるコストそのものが上がった」ので、元に戻ることは基本的にありません。
ニュースで報じられる「月〇〇円の値上げ」は、多くが②の託送料金改定分だけを指しています。実際の請求書は①の支援終了も重なるため、体感はそれより大きくなります。自宅の増加額を見るときは、この2つを分けて考えてください。
電力会社別の値上げ額一覧(託送料金改定分)
各社が公表しているモデル家庭の値上げ額は次のとおりです。
| 電力会社 | モデル条件 | 値上げ額(月) |
|---|---|---|
| 沖縄電力 | 従量電灯・260kWh | +590円 |
| 東北電力 | 従量電灯B・30A・260kWh | +485円 |
| 北海道電力 | 従量電灯B・30A・230kWh | +481円 |
| 四国電力 | 従量電灯A・260kWh | +478円 |
| 関西電力 | 従量電灯A・260kWh | +407円 |
| 中部電力ミライズ | 従量電灯B・30A・260kWh | +395円 |
| 九州電力 | 従量電灯B・30A・250kWh | +367円 |
| 東京電力EP | 従量電灯B・30A・260kWh | +254円(うち基本料金分 240.93円) |
※北陸電力は未定とする情報があります。対象社数は「9社」「10社」と情報源によって集計が分かれています(確信度:中)。正確な金額・条件は各社の公表資料でご確認ください。
この表から読み取れること
- 沖縄・東北・北海道が大きい——送配電設備の維持コストが相対的に高いエリアほど上げ幅が大きい傾向
- 東京電力EPは最も小さい(+254円)——ただしその大半(240.93円)が基本料金の増加
- 基本料金で上がる分は、節電しても減らない
最後の点が重要です。従量料金(使った分だけかかる部分)の値上げなら節電で打ち消せますが、基本料金の値上げは、電気を1kWhも使わなくてもかかります。東京電力エリアの家庭にとっては、「節電では防げない値上げ」が中心という意味になります。
わが家の増加額を試算する方法
自宅の金額は、次の3ステップで概算できます。
- 検針票で「1か月の使用量(kWh)」を確認する——季節変動があるので、できれば直近3か月の平均を取る
- 上の表のモデル条件(多くは260kWh)と比べる——使用量が倍なら、従量料金部分の影響もおおむね倍と考える
- 国の支援終了分を足す——9月使用分までの検針票にある「※電気・ガス料金支援」等の値引き額を確認し、それが丸ごと自己負担に戻る
試算例(関西電力・月260kWhの家庭)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 2026年10月分(支援終了後・託送改定前) | 6,933円 |
| 2026年11月分(託送改定後) | 8,251円 |
| 増加額 | +1,318円 |
| うち 国の支援終了分 | 910円 |
| うち 託送料金改定分 | 408円 |
年間にすると、この家庭で約1万6,000円の負担増です。使用量が多い家庭、オール電化の家庭では、これより大きくなります。
11月〜2月は暖房で電力使用量が跳ね上がる時期です。単価の上昇と使用量の増加が重なるため、12月〜2月の請求書は想定以上になりやすいと考えておいてください。
なぜ託送料金が上がるのか
託送料金は、発電所から家庭まで電気を届ける送配電網の利用料です。電気料金の内訳では、おおむね3〜4割を占めます。
上昇の背景には次の要因があります。
- 設備の更新時期——高度成長期に整備された送配電設備が更新期を迎えている
- 再エネの連系対応——太陽光・風力の増加に伴う系統の増強・調整コスト
- 災害対応の強化——台風・地震による停電の早期復旧のための投資
- レベニューキャップ制度——2023年度から導入された、一定期間ごとに収入上限を見直す仕組み
いずれも、一時的な要因ではありません。電気代の上昇が構造的だと言われるのは、こうした理由からです。
電気代の上昇要因は3つ重なっている
2026年の電気代は、次の3つが同時に効いています。
| 要因 | 2026年の水準 | 性質 |
|---|---|---|
| 再エネ賦課金 | 4.18円/kWh(2026年度・前年比約+5%) | 使った分だけ上乗せ。再エネ導入が進むほど増える |
| 燃料費調整額 | 原油・LNG価格と為替で変動 | 円安が続くと上昇しやすい |
| 託送料金 | 2026年11月1日改定 | 設備更新・災害対応で構造的に上昇 |
賦課金と燃料費の詳しい仕組みは【2026年】電気代はなぜ上がる?で整理しています。
ポイントは、3つのうち家庭が自分でコントロールできるものが一つもないということです。だからこそ、対策は「単価を下げる」ではなく「買う量を減らす」方向に向かいます。
今できる対策を3段階で整理する
| 段階 | 対策 | 効果の大きさ | 着手しやすさ |
|---|---|---|---|
| 第1段階 | 節電(待機電力・設定温度・省エネ家電) | 小〜中 | すぐできる |
| 第2段階 | 料金プラン・電力会社の見直し | 中 | 1〜2週間 |
| 第3段階 | 自家消費(太陽光+蓄電池) | 大 | 数か月 |
第1段階:節電でできること
冬場に効くのは、暖房の使い方です。
- エアコンの設定温度を1℃下げる(暖房は20℃が目安)
- フィルター掃除を月1〜2回——目詰まりで消費電力が増える
- 電気ストーブ・オイルヒーターの常用を避ける(消費電力が大きい)
- 給湯の設定温度を見直す——冬の光熱費で給湯は大きな割合を占める
ただし、節電で減らせるのは従量料金の部分だけです。基本料金の値上げには効きません。
第2段階:料金プランの見直し
生活リズムと料金プランが合っていないケースは少なくありません。
- 夜間の使用が多い家庭——夜間割安プランが合う可能性
- 在宅時間が長い家庭——時間帯別より従量制のほうが有利なことも
- 契約アンペアが過大——基本料金は契約アンペアで決まるため、下げられれば毎月効く
とくに最後の契約アンペアの見直しは、今回のように基本料金が上がる局面では効果が相対的に大きくなります。ブレーカーが落ちない範囲で下げられないか、一度確認する価値があります。
第3段階:買う電気そのものを減らす
賦課金も燃料費も託送料金も、電力会社から買った電気にかかります。自分でつくって自分で使う電気には、これらが上乗せされません。
- 太陽光——昼に発電して、その場で使う
- 蓄電池——昼の余剰をためて、朝夜の高い時間に使う
電気代が上がるほど、自家消費1kWhあたりの価値は上がります。売電単価が8円前後まで下がった今、「売る」より「使う」ほうが有利という構造になっているのはこのためです(参考:卒FIT後どうする?)。
削減効果は、屋根の向き・面積・使用量・生活リズムで大きく変わります。「元が取れるか」は一般論では判断できません。複数社をまとめて比較できる無料の一括見積もりなら、自宅の条件での費用と削減額の目安を効率よく把握できます。太陽光・蓄電池の無料一括見積もりで試算する(タイナビ蓄電池)
補助金は「締切」から逆算する
太陽光・蓄電池を検討するなら、補助金のスケジュールが実質的な期限になります。2026年秋時点の状況を整理すると次のとおりです。
| 制度 | 状況(2026年10月時点) |
|---|---|
| ZEH支援事業(単年度事業) | 2026年12月11日 17時まで(先着) |
| ZEH支援事業(複数年度事業1年目) | 2026年11月6日〜2027年1月8日 17時 |
| 家庭用DR補助金(2026年度) | 予算上限で終了(次回は未公表/情報に食い違いあり・要確認) |
| 自治体の補助金 | 自治体ごとに期間・金額が大きく異なる |
※公募は予算上限に達した時点で締め切られることがあります。必ず各実施団体の最新情報をご確認ください。
自治体の補助金は見落とされがちですが、国の制度と併用できる場合もあります。探し方はお住まいの自治体の補助金の調べ方にまとめています。
よくある質問(FAQ)
Q. 2026年11月から電気代はいくら上がりますか?
A. 託送料金の改定分だけで、モデル家庭で月254〜590円(電力会社により差)です。ただし国の支援終了も重なるため、実際の請求額の増加はこれより大きくなります。関西電力の例では合計**+1,318円**です。
Q. 国の電気代支援はもう終わったのですか?
A. 2026年9月使用分で終了しています。10月使用分(11月請求分)から値引きがありません。
Q. 新電力に切り替えれば値上げを避けられますか?
A. 託送料金はどの小売事業者を使っても発生するため、完全には避けられません。ただしプランや単価は会社によって違うので、比較する価値はあります。
Q. 節電でどれくらい減らせますか?
A. 使い方次第ですが、数%〜10%程度が現実的な範囲です。基本料金の値上げ分は節電では減りません。
Q. 契約アンペアを下げると本当に安くなりますか?
A. 基本料金はアンペア数で決まるため、下げれば毎月の固定費が減ります。ただし同時に使える家電が制限されるので、ブレーカーが落ちない範囲で検討してください(関西・中国・四国・沖縄などアンペア制でないエリアもあります)。
Q. 太陽光を付ければ電気代はゼロになりますか?
A. ゼロにはなりません。夜間や悪天候時は買電が必要です。蓄電池を併用すると買電量をさらに減らせますが、基本料金は契約している限りかかります。
Q. 今から太陽光を検討して、冬の電気代に間に合いますか?
A. 見積もりから工事完了まで通常数か月かかるため、今冬には間に合わないのが一般的です。ただし電気代の上昇は続く見通しなので、来冬に向けた準備として検討する価値はあります。
Q. 太陽光パネル自体は値上がりしていませんか?
A. 中国の輸出政策と円安で上昇圧力がかかっています。詳しくは太陽光パネルは値上がりする?で整理しています。
まとめ
2026年11月の電気代上昇は、託送料金の改定(月254〜590円)と国の支援終了という2つが重なったものです。前者は送配電設備の更新や災害対応という構造的な要因によるもので、元に戻る性質のものではありません。
対策は3段階で考えます。節電とプラン見直しはすぐできますが、効果には限界があり、とくに基本料金の値上げには効きません。本質的に効くのは、電気を買う量そのものを減らす自家消費です。
まずは検針票で自宅の使用量を確認し、11月以降いくら増えるのかを把握してください。そのうえで、節電とプラン見直しで足りるのか、太陽光・蓄電池まで踏み込むべきかを判断するのが現実的な進め方です。
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