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FIT・FIP・Non-FITの違いを、素人でもわかるように徹底解説【保存版】

太陽光の電気の「売り方・使い方」を決める3つの制度、FIT・FIP・Non-FIT(非FIT)の違いを、知識ゼロの方でもわかるようにゼロから丁寧に解説。仕組み・メリット・デメリット・向いている人、そして制度がFITからFIP・Non-FITへ移り変わっている背景まで、まるごと整理した保存版です。

「太陽光の話で出てくる FIT・FIP・Non-FIT(非FIT)、正直どう違うのかよくわからない」——そう感じている方は多いはずです。名前が似ていて、しかも制度の話なので難しく見えます。

でも、この3つは要するに 「発電した電気を、どう売るか・どう使うか」の3つのやり方 のことです。ここを押さえるだけで、太陽光のニュースや業者の説明が一気に理解できるようになります。

この記事では、専門知識がまったくない方でもわかるように、ゼロから丁寧に解説します。少し長くなりますが、順番に読めば必ず理解できるように書きました。太陽光の導入・投資を考えている方にとって、お金と将来設計に直結する重要なテーマなので、じっくり読んでみてください。

💡 まず3行でまとめると
  • FIT=国が決めた固定価格で、一定期間ずっと買い取ってもらう(安定・かんたん)
  • FIP市場価格+プレミアム(補助)で売る(変動するが、うまくやれば収入UP)
  • Non-FIT(非FIT)=国の買取制度を使わず、自分で使う・自分で売り先を決める(自由だが自己責任)

大前提:発電した電気には「2つの使い道」しかない

制度の話に入る前に、大前提をひとつだけ。太陽光で作った電気の使い道は、突き詰めると次の2つだけです。

📝 電気の2つの使い道
  • 自家消費:発電した電気を、自分(自宅・自社)でそのまま使う → その分、電力会社から買う電気(買電)が減る=電気代の節約
  • 売電:使いきれずに余った(または全部の)電気を、外に売る → 収入になる

FIT・FIP・Non-FITは、このうち主に 「売る」ときのルールの違い(=誰に、いくらで売るか)だと考えると、理解しやすくなります。では、ひとつずつ見ていきましょう。

① FIT(固定価格買取制度)=いちばん安定・かんたん

FIT(フィット/Feed-in Tariff)は、発電した電気を、国が決めた固定価格で、一定期間ずっと電力会社が買い取ってくれる制度です。2012年に始まり、日本の太陽光を一気に普及させた、いわば「王道」の制度です。

📝 FITをひとことで

10年(住宅用)または20年(事業用)、この値段で買い続けます」と国が約束してくれる制度。価格が最初に決まって変わらないので、収入の見通しが立てやすいのが最大の特徴です。

FITの仕組み

  • 買取価格は 導入した年度の価格で固定され、期間中ずっと変わりません
  • 買取期間は 住宅用(10kW未満)で10年、事業用(10kW以上)で20年
  • 価格は毎年、国が見直して下げていく傾向にあります

FITのメリット・デメリット

  • メリット:収入が安定。固定価格・固定期間なので、初心者でも計画が立てやすい
  • メリット:手間が少ない。決められた電力会社に売るだけで、市場を気にする必要がない
  • デメリット:買取価格が年々下がっている。昔ほど「売って儲ける」うまみは小さい
  • デメリット:期間が終わる(卒FIT)。住宅用は10年で買取終了。以降は自家消費が基本に
⚠️ FITの「地域活用要件」に注意(事業用の低圧)

事業用のうち 10〜50kW未満(低圧)でFITの認定を受ける場合は「地域活用要件」があり、原則として発電量の30%以上を自家消費する必要があります。全量売電はできない点に注意が必要です(この要件はFITを使う場合の条件で、FITを使わなければ課されません)。

FITが向いている人:住宅用の太陽光、小規模、とにかく安定・手間なしを重視する個人。迷ったらまずFIT、というのが基本の考え方です。

② FIP(フィードインプレミアム)=市場価格+おまけ

FIP(フィップ/Feed-in Premium)は、電気を「市場価格」で売り、それに国からの「プレミアム(おまけ=補助額)」を上乗せしてもらう制度です。2022年4月にスタートした、比較的新しい制度で、主に事業用の中〜大規模が対象です。

FITが「固定価格で安心」なのに対し、FIPは「市場に合わせて売る代わりに、補助でサポートする」という考え方です。ここが最大の違いです。

FIPの収入イメージ 市場価格で 売った収入 +プレミアム ← 国からの補助(上乗せ) ← 売る時間帯・市場で変動 = 合計の収入 プレミアム(補助額)= 基準価格 − 参照価格 (国が定める目標額)(市場の想定収入)
図:FIPの収入は「市場価格で売った収入+プレミアム(補助)」でできている

プレミアム(補助額)の考え方をやさしく

少しだけ仕組みに触れます。むずかしければ「国が下支えしてくれる」とだけ覚えればOKです。

  • 基準価格(FIP価格)…… 国が「これくらいの収入になるように」と定める目標水準
  • 参照価格 …… 市場で売れば、これくらいの収入が見込める、という想定額
  • プレミアム(補助額)= 基準価格 − 参照価格

市場価格が安いときはプレミアム(補助)が厚くなり、市場価格が高いときは補助が薄くなる——というように、市場に合わせて調整されます。だから「市場が高いときにたくさん売れば、収入を伸ばせる」のがFIPの魅力です。

FIPのメリット・デメリット

  • メリット:市場が高い時に売れば収入UP。工夫や戦略が収益に反映される
  • メリット:蓄電池と相性が良い。安い時間にためて、高い時間に売る運用ができる
  • デメリット:収入が変動する。市場が安いと収入も下がるリスクがある
  • デメリット:手間・専門性が要る。市場での売買を代行する「アグリゲーター」との連携などが必要

FIPが向いている人:事業用・大規模で、市場の動きを活かして収益を伸ばしたい事業者。蓄電池を併設して賢く運用できる事業者にも向きます。

補足:FITとFIPの「基準価格(調達価格)」は同じ水準に設定されています。つまり「固定でもらうか(FIT)/市場+補助でもらうか(FIP)」の選び方の違い、というイメージです。一定規模以上の事業用では、FITではなくFIPが基本になる方向で制度が進んでいます。

③ Non-FIT(非FIT)=国の制度に頼らず、自分で決める

Non-FIT(ノンフィット/非FIT)は、FITもFIPも使わないやり方です。つまり、国の買取制度に頼らず、発電した電気の「使い方・売り先」を自分で決める方式です。

「制度を使わないなんて損では?」と思うかもしれません。ところが近年、あえてNon-FITを選ぶ企業が急増しています。電気代の高騰や、脱炭素(RE100など)の流れが背景にあります。

📝 Non-FITの主なパターン
  • 全量自家消費:作った電気を全部、自社の工場・ビルで使う(売らない)。電気代の削減が目的
  • オンサイトPPA:自社の屋根・敷地に、他社(発電事業者)が設備を設置・所有し、そこで作った電気を買う契約。初期費用0で導入できる
  • オフサイトPPA:離れた場所にある発電所から、送電網を通じて電気を買う長期契約
  • 自己託送:自社の別拠点にある発電所の電気を、送電網を使って自社の需要地へ送る

Non-FITのメリット・デメリット

  • メリット:制度の制約から自由。買取価格の低下や、賦課金・要件に縛られない
  • メリット:電気代の高騰対策になる。自家消費すれば、買う電気が減り、電気料金の値上がりの影響を受けにくい
  • メリット:環境価値(RE100など)を活かせる。FITを使わない電気は「再エネ100%」として企業のPRや脱炭素目標に使える
  • デメリット:収益・調達の安定は自己責任。売り先や価格を自分で確保・交渉する必要がある
  • デメリット:契約・体制づくりが必要。PPAや自己託送は仕組みが複雑で、パートナー選びが重要

Non-FITが向いている人電気をたくさん使う企業(工場・倉庫・データセンターなど)、脱炭素・RE100に取り組む企業、大規模に展開して自社で電気を活用したい事業者。

💡 「環境価値」がNon-FITの隠れた主役

FITで売った電気の「再エネとしての価値(環境価値)」は、制度上、国民みんなのもの(賦課金で支えているため)として扱われます。一方Non-FITの電気は、その環境価値を発電した企業・使う企業のものにできます。だから「自社は再エネ100%です」と対外的に言いたい企業にとって、Non-FITは大きな意味を持ちます。

3つの制度をまとめて比較

ここまでを一覧にまとめます。

比較項目FITFIPNon-FIT(非FIT)
電気の売り方固定価格で電力会社へ市場価格+プレミアム自分で決める(自家消費・PPA等)
収入の安定性◎ 高い(固定)△ 変動する使い方次第
買取価格の傾向年々低下市場に連動相対・自社次第
手間・専門性◎ 少ない△ 必要(市場対応)△〜✕ 契約・体制が必要
主な対象住宅用・小規模事業用・中〜大規模事業用・大規模/企業
環境価値の扱い国民のもの(使えない)原則使える使える(RE100等)
向いている人安定重視の個人市場を活かせる事業者電気を多く使う・脱炭素の企業
FIT 太陽光発電 電力会社が固定価格で 買取 FIP 太陽光発電 市場で売電 +プレミアム(補助) Non-FIT 太陽光発電 自家消費 / PPA先へ 自分で使う・売る
図:3制度の電気の流れ。FIT=固定買取/FIP=市場+補助/Non-FIT=自家消費・PPA

なぜ「FIT → FIP → Non-FIT」へと流れているのか(背景)

「昔はFITばかりだったのに、最近はFIPやNon-FITが増えている」——これには理由があります。ここを理解すると、制度の全体像がぐっとクリアになります。

  1. FITの買取価格が下がり続けた:制度開始時は高い価格でしたが、年々低下。「売って儲ける」うまみが小さくなりました。
  2. 賦課金(ふかきん)の負担が重くなった:FITの買取原資は、私たちの電気料金に上乗せされる「再エネ賦課金」で賄われています。再エネが増えるほど国民負担も増え、制度の見直しが必要になりました。
  3. 電気を「市場」に統合する流れ:発電を市場と連動させ、需要に応じて発電・売電するインセンティブを持たせるため、FIPが導入されました。
  4. 電気代の高騰と脱炭素:電気料金が上がる中、「売る」より「自分で使う(自家消費)」方が得なケースが増加。さらにRE100など脱炭素の要請から、環境価値を自社で活かせるNon-FIT(PPA等)が急速に広がっています。
📝 大きな流れ

「国が高く買ってくれる時代(FIT)」から、「市場に合わせて売る時代(FIP)」、そして「自分で使う・自分で売り先を決める時代(Non-FIT)」へ。太陽光は"補助で普及させるもの"から、"自立して活用するもの"へと移り変わっています。

結局、自分はどれを選べばいい?(考え方)

立場ごとの、基本的な選び方の目安です。

  • 住宅用(一般家庭) → 基本はFIT。10年の買取終了後(卒FIT)は、蓄電池を活用した自家消費に切り替えるのが王道
  • 中小規模の事業用 → 安定重視ならFIT(+自家消費)、市場を活かしたいならFIP
  • 電気をたくさん使う企業Non-FIT(自家消費・オンサイトPPA)で電気代削減と脱炭素を同時に
  • 大規模・脱炭素経営の企業Non-FIT(オフサイトPPA・自己託送)で再エネ調達
⚠️ 制度は変わります・専門家に相談を

買取価格・要件・対象規模などの制度内容は、毎年見直され変化しています。実際の導入・投資判断の際は、必ず最新の公式情報(資源エネルギー庁など)を確認し、規模の大きい事業判断では施工業者・専門家に相談してください。

ミニ用語辞典

  • 自家消費:発電した電気を売らず、自分で使うこと。電気代の節約になる
  • 売電:発電した電気を外に売って収入を得ること
  • 卒FIT:FITの買取期間(住宅用10年)が終わること
  • 賦課金(再エネ賦課金):FITの買取費用を賄うため、電気料金に上乗せされている負担金
  • 地域活用要件:10〜50kW未満のFITで、原則30%以上の自家消費が求められる条件
  • PPA:第三者が設備を設置・所有し、そこで作った電気を買う契約。初期費用を抑えて導入できる
  • 自己託送:自社の別拠点にある発電所の電気を、送電網を使って自社の需要地へ送るしくみ
  • アグリゲーター:発電した電気を束ねて市場で売買・調整する事業者。FIPで重要な役割を担う

よくある質問(FAQ)

Q. 結局、いちばんお得なのはどれですか?
A. 立場によって変わるため「一律に一番」はありません。安定・手軽さなら住宅用はFIT、市場を活かせる事業者はFIP、電気を多く使う企業はNon-FIT(自家消費)が有利になりやすい、という関係です。

Q. 住宅用でもFIPやNon-FITを選べますか?
A. 制度上、FIPは主に事業用が対象です。一般家庭は基本FIT、そして卒FIT後に自家消費(実質的にNon-FITに近い使い方)へ移る、という流れが一般的です。

Q. Non-FITは「売れない」のですか?
A. いいえ。国の買取制度を使わないだけで、PPAや相対契約・市場を通じて売ることもできますし、自家消費で電気代を減らすこともできます。使い方の自由度が高いのがNon-FITです。

Q. 今から新しく始めるなら、どれになりますか?
A. 住宅用は引き続きFITが基本です。事業用は規模により、FIT・FIP・Non-FITのどれが有利かが分かれます。近年は電気代高騰と脱炭素の流れで、事業用の自家消費・PPA(Non-FIT)の注目度が高まっています。

Q. FITとFIPの買取価格は違うのですか?
A. 基準となる価格(FITの調達価格とFIPの基準価格)は同じ水準に設定されています。違いは「固定でもらう(FIT)か、市場価格+プレミアムでもらう(FIP)か」という受け取り方です。

まとめ

FIT・FIP・Non-FITは、太陽光で作った電気の**「売り方・使い方」の3つの選択肢**です。

  • FIT=国が固定価格で買い取る。安定・かんたんで、住宅用や小規模の王道
  • FIP=市場価格+プレミアム。変動するが、市場を活かせば収入を伸ばせる事業用向け
  • Non-FIT(非FIT)=国の制度に頼らず、自家消費やPPAで自分で活用。電気代高騰・脱炭素の切り札として企業に拡大中

大きな流れとしては、「国が高く買う時代(FIT)」から「市場に合わせる時代(FIP)」、そして「自分で使い切る時代(Non-FIT)」へと移り変わっています。ご自身の立場(家庭か事業者か、電気をどれだけ使うか、脱炭素を重視するか)に合わせて選ぶことが、太陽光で損をしないための第一歩です。

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参考・出典